2022年5月に公開された奇才・庵野秀明監督の最新作「シン・ウルトラマン」が興行収入40億円越えの大ヒットを記録しています。特撮の世界に新しい風を吹き込む斬新な描き方で常に世間を驚かせている「シン・」シリーズ。今回は、庵野監督の手掛ける「シン・」シリーズの作品や繋がりなどについて迫っていきます。
「シン・」シリーズとは
「シン・」シリーズとは、日本が誇るクリエイター・庵野秀明氏が監督・企画から脚本まで制作全般に携わった映画作品で、タイトルの頭に「シン・」が付くものを指します。
2022年7月現在、公表されている「シン・」シリーズはこちらの4作品となります。
- 『シン・ゴジラ』(2016年7月公開)
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』(2021年3月公開)
- 『シン・ウルトラマン』(2022年5月公開)
- 『シン・仮面ライダー』(2023年3月公開予定)
「シン・」はどういう意味?
タイトルの頭に「シン」をつけるのは、固定概念を植え付けず、受け手側の解釈を大切にしたいという願いが込められているからです。また、「シン」がカタカナ表記なのは、「新」「真」「神」「sin(罪)」など、見る人が感じるままに漢字や英語などを当てはめてほしいという思いからだそうですよ。
「シン・」シリーズ全4作品の繋がりはある?
このシリーズ作品には、何らかの繋がりがあるのでは?と期待してしまう庵野作品のファンの方も多いのではないでしょうか。
- 『エヴァンゲリオン』の曲が『シン・ゴジラ』でも使用されている
- 『シン・ウルトラマン』の怪獣のビジュアルが『エヴァ』の使徒に似ている
- 得体のしれないものに襲われて地球が危機に陥る
といった共通点はありますが、今のところシリーズを通して、明確に繋がっていると公言されているものはありません。「ハッ!」とするような繋がりを、作品を見ながら発見していくのも楽しいかもしれませんね。
シン・ゴジラ
記念すべき「シン・」シリーズ第一弾となったこの作品は、日本に得体のしれない巨大生物が突然現れたらどうなるのかという世界を描いた新感覚のゴジラ映画です。その年の流行語大賞にもノミネートされるほどの話題作となり、大ヒットを記録しました。特撮オタクの庵野監督の愛が炸裂する迫力満点なゴジラの暴走や、日本政府があわただしく対応する会議室の様子をリアルに描くなど社会派作品としても見応えのある映画です。
シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ
この作品は、庵野監督が生み出したTVアニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの完結編として制作されました。これまでのアニメの常識を覆す斬新なコマ割り、登場人物のあまりにもリアルな心理描写が話題となり、社会現象を巻き起こした「エヴァンゲリオン」。しかし、このアニメのヒットにより精神状態が不安定でかなり追い詰められていたと、2021年に放送されたNHKの「庵野秀明 プロフェッショナル特別編」の中で監督自身が告白し話題に。
自身に重くのしかかるプレッシャーを解き放つため、この映画をもってエヴァを卒業すると宣言した、渾身の作品となります。
シン・ウルトラマン
庵野監督が大ファンだと公言している、初代ウルトラマンのリブート作品となります。巨大な異星人が地球を救うというベースはそのままに、それぞれの星の陰謀や駆け引きが渦巻くストーリーは少し大人向けとなっています。
劇中のウルトラマンは、オリジナルより男前な印象ですが、スタイリッシュさを前面に出すために胸のカラータイマーはあえてつけなかったそうです。スペシウム光線を出すときの仕草も丁寧で、美しくカッコいいウルトラマンを見たい方におススメです。
シン・仮面ライダー
2023年の公開に向けて制作中の4作目は、放送開始から50周年を迎えた仮面ライダーが主役となります。監督自身も仮面ライダーに夢中になった一人だと公言し、「自分が受けた恩恵を映画作品という形で返したい」とコメントしています。公開されている映像から、シリーズの中でも1号や2号などの初期のストーリーをベースにしているようで、大人から子供まで、仮面ライダーを知らない方にも楽しんでもらえるような作品になるとのこと。庵野流の新しい仮面ライダーに期待が寄せられています。
まとめ
庵野秀明監督の「シン・」シリーズは、オリジナル作品をリスペクトしているからこそ生み出される、最高のリメイク作品となります。また、庵野監督自身が常識にとらわれない自由な発想をもつ少年のような人だからこそ、予測のつかない物語が繰り広げられる「シン・」シリーズ。次はどんな作品が制作されるのかを考えるだけでもワクワクしますね!