2005年から2006年にかけて連載されていた小説『八日目の蝉』。2011年に映画化もされ、井上真央さんと永作博美さんの迫真の演技が話題になりました。誘拐事件をめぐり、加害者と被害者のその後が描かれたセンシティブな作品でしたが、この物語が”実話”だと知っている人はどれくらいいるのでしょうか?南朝芽ちゃんの事故など、誘拐を疑う事件は数多く起きています。この記事では、八日目の蝉 実話 その後を、映画のエピソードとともにお届けしていきたいと思います。
八日目の蝉のあらすじ
不倫相手の子どもを誘拐した女の物語
主人公は、会社員・希和子(演・永作博美さん)。同僚の秋山(演・田中哲司さん)と不倫関係にあり、子どもを身ごもります。妻と離婚すると言っていた秋山ですが、結局希和子に堕胎するよう求めました。その結果、二度と子どもが産めない身体になってしまった希和子は、秋山と妻の間に生まれた生後6ヶ月の赤ちゃんを誘拐してしまうのです。
誘拐された子どもと育ての母親、突然の別れ
希和子は、その子どもに薫(演・渡邉このみさん)と名付け大切に育てました。しかし薫が4歳のとき、ついに希和子は誘拐罪で逮捕されてしまうのです。そして、希和子が身柄を確保されたとき発した言葉は「待ってください、その子はまだご飯を食べていません。よろしくお願いします」。その場にいた誰もが、その女がたっぷりの愛情で誘拐した子どもを育ててきたことを理解するのです。
誘拐された子どもはその後…
希和子が逮捕され時は経ち、二十歳になった薫は実の両親がつけた名前・秋山恵理菜(演・井上真央さん)として生きていました。4歳まで育ててくれた優しい母親と引き離され、突然知らない夫婦のもとで暮らすことになった恵里菜は、両親と折り合いが悪く、一人暮らしをしていました。希和子と同じく職場の先輩と不倫関係にあり、彼との子どもを身ごもっていました。
育ての母親に会いに思い出の場所へ
恵里菜は、かつて希和子とともに家族写真を撮った写真館へ足を運びます。預けてあった写真は、すでに出所した希和子が取りに来たと、店主が言いました。その写真を取りに来ることだけが、服役中の希和子にとって生きる希望だったのではないか…と店主は語り、恵里菜はそこで、希和子や両親のことを許す決意をします。そして、すでにお腹に宿っている小さな命を大切に思っていることも、再確認するのです。
八日目の蝉 実話 その後どうなった?
そんな八日目の蝉は、1993年に起きた「日野OL不倫放火殺人事件」が元になって作られた映画なのです。八日目の蝉 実話は少し違っており、死者を出すほどの悲痛な事件でした。
日野OL不倫放火殺人事件とは
主人公・希和子のモデルとなった人物は、同じく職場の男性と不倫関係に陥った女性でした。この女性は、不倫相手の子どもを2度も妊娠し、どちらも堕胎。裏切られたと感じ、その男性が家族と住むアパートに放火するのです。家の中には小さな子どもが2人おり、犠牲になってしまいました。身勝手な不倫相手に、自分を罵倒してくる不倫相手の妻により精神的苦痛を味わったと訴えた女性でしたが、情状酌量は一切認められませんでした。28年の服役を終えて、八日目の蝉 実話 その後は2021年に出所しているとみられています。
八日目の蝉 実話 その後
2人の子どもを失った、不倫相手の男性夫婦は八日目の蝉 実話 その後も離婚せず、さらに2人の子どもをもうけたという話もあります。何の罪もない子どもたちの尊い命が奪われたこの事件を忘れず、不倫相手の男性も更生していることを願うばかりです。
まとめ
八日目の蝉は、血のつながらない母と子の絆という面でも見ごたえのある作品でしたが、八日目の蝉 実話はさらに悲痛で、2人もの幼い命が犠牲になるという最悪の結果を招いていました。映画では、永作博美さん演じる偽の母親による母性や、母と娘の絆も描かれており、子どもを持つ人はもちろん、自分も誰かの子であるという観点から見ても、複雑な心境にさせられる作品でしたね。気になる人は、ぜひご覧になってみてください。